ABOUT PROJECT
建築場所:京都府舞鶴市 設計:WIN建築設計事務所 構造:木造2階建て
西舞鶴、田辺城下町に建つ明治初期に建てられた町家を飲食店に。
仕出し屋を営むお施主様より「この舞鶴でほっと落ち着けるちょっと上品なお店を作りたい。」とお声がけいただき、計画がスタートしました。
隣接する既存の仕出し屋さんとの動線は?お客様の目をいかに楽しませるか?地域の景観向上に貢献するには?与条件をクリアしながらお施主様の思いを形にすべく、打ち合わせを重ねていきました。
内観は雪の多い舞鶴の町家特有の立派なケヤキの梁、柱を現しつつ、数寄屋の要素を取り入れた上品な仕上げとし、通路に木賊(トクサ)を植えるなど、奥行きの長い「うなぎの寝床」の特長を活かし京都の路地を歩くような風情を演出しました。外観は隣接する仕出し屋「福寿し」と共に虫籠窓で仕上げ、軒先に一文字瓦を用いてラインを揃えて一体化させています。
既存建物の傾きや腐食を修正しながら、内部に造作を施していく大工の手間は大変なものがありましたが、出来上がった「花かんざし」を多くのお客様が利用され、まちに少し賑わいがもたらされたことに大きな喜びを感じます。